「かつての素晴らしい紅茶」
ひっくりかえってしまえばいい
全部こぼれてしまえばいい
わたしは砂糖を入れすぎてしまった
あの香りがもうわからない
子どものような我が儘で
もう一杯を強請るにしても
甘すぎる味の記憶が
舌に残って邪魔する、邪魔する、邪魔する
爽やかな、透き通った、午後の陽のように軽やかな、
確かそんなはずだった、この、かつての素晴らしい紅茶と、
砂糖を憎むばか者のわたし
2005.09.10