賢いオロエン 7
さて、一度が二度に、二度が三度になったなら、三度が四度になろうとも、さっぱり不思議はありません。
オロエンは同じようにして、五度目まで贈り物をしました。
しかしその頃気がつきました。
彼女の喜びようが、どうも最初と違うのです。
幾らか劣っているのです。
いけない、とオロエンは思いました。
何がいけないものなのか、その正体は知れません。
けれども、どうにもいけないと思ったのです。
心がぞわぞわして、腹の辺りが落ち着きません。
これは、何とかせねばなりません。
考えて考えて、オロエンはその夜、鱗を二枚剥ぎました。
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2004.09.25 公開