賢いオロエン 10
オロエンはさっぱり眠れないまま、次の日を迎えました。
彼女の様子を見に行くか行くまいか、一晩悩んだ結果、やっぱり気になって見に行くことにしたオロエンは、重いひれ捌きでお池の底からいつもの場所へ向かいました。
怖くて怖くて仕方がありませんでした。
もしかしたら彼女は、そんなにがっかりしないかもしれません。
でももしかしたら彼女は、怒り狂うかも、嘆き叫ぶかもわかりません。
その場面を見たくなくて、しかし早く見てしまいたくて、オロエンは骨が捩れそうでした。
そして、苦悩することしばし、その時はやってきました。
彼女はいつものようにやってくると、足を止めてきょろきょろと辺りを見回しているようでした。
昨日まで五枚の贈り物があった場所には、今日は何もありません。
草の葉っぱをめくったり、影を覗いたりして、あの仕草は贈り物を探しているに違いないのです。
息も止まる思いでそれを見つめていると、そのうちに、彼女は肩を落として帰っていきました。
オロエンは死んでしまいたくなりました。
自分が浅はかな贈り物などしたばっかりに、彼女にあんな冴えない足取りをさせたのです。
オロエンはすごすごとお池の底へ戻りました。
その日はずっと塞いでいました。
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2004.09.25 公開