悪魔の王様 10
しばらくすると、ひとりの言った通り、友達はやってきました。
ひとりは彼の足から降りて、友達に走り寄りました。
そして、あのときしていたように身体をひっつけると、ことの次第を話しました。
「こういうわけなので、あなたにこの方の住処を探して欲しいんです。それと、わたしに食べ物を」
友達は快く承諾しました。
「ありがとう。よろしくね」
と、彼は友達に挨拶しました。
友達はすぐに彼の住処を探しに行きました。
それからしばらく、彼とひとりはいろいろな話をして日々を過ごしました。
食事は彼のところへ運ばれるようになって、彼はひとりに食べても平気なものかどうか見てもらってから食べることにしました。
少し物足りなく思いましたが、飢え死にするほどでなかったので我慢しました。
たまにひとりの友達がやってきて、彼の住処のことについて話していきました。
明るいうちをそうして過ごし、暗くなってひとりが眠ってからは、空想を楽しみました。
彼ははじめ、ひとりが動かなくなったのを見て、いったい何が起きたのかと大慌てしたものでしたが、夜は眠るものなのだと教えられてからは、ひとりがおやすみと言ってからおはようと言うまでの間、そうっとしておく約束になりました。
彼の足の上がひとりの居場所に決まり、彼はいつもそこにひとりを乗っけているのが普通になりました。
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2004.11.26 公開